小笠原の旅~6日目、最終日

朝食をいただき、チェックアウトを済ませます。食堂で朝食をいただいたら、そこで精算する形式。なので、鍵を返すタイミングを逃してしまい、後で返しました。本当は荷物を持って外へ出る際に返しておくべきでしたが、しばらく部屋で寛いだこともあり、忘れていました。

ここ数日は海をメインに楽しんできましたが、この日は山の方を楽しみたいと思います。まず向かった先は、ウェザーステーション展望台方面。途中まで路線バスが出ていますが、歩いてでも行ける距離です。なので、歩いて行きました。

大村集落の裏手から出ている坂道を登っていきます。高いところに来ると、一面緑でほとんど建物はなくなります。10分ほど登るとウェザーステーション展望台への分岐があるので、そちらへ入ります。

ここも普通に車が通れる舗装道路なので、歩きやすいです。途中、戦跡である大村第二砲台跡があったので、見学しました。森の中へ入っていくのですが、中は湿っぽくて虫が多く、まさにジャングルと言った感じです。油庫は建物がきちんと残っていますが、兵舎等は基礎部分しか残っていないので、ほとんどわかりませんでした。

森から出ると、目の前には父島テレビ中継局の鉄塔がありました。現在はテレビは全てケーブル化しているそうです。

 

そこからもう少し進むと、ついにウェザーステーション展望台に着きました。標高は200メートルほどですが、父島の森、海岸、海を見渡すことが出来ます。多少標高が高いせいか、風が若干冷たくて、気持ちいいです。せっかくなので、パノラマ写真にも挑戦してみました。

続いて、三日月山展望台も目指してみます。ウェザーステーション展望台の裏手から遊歩道が伸びているので、そこを進んでいきます。山の上と言うこともあり、先ほどの森の中のような湿っぽさはなく、気持ちよく歩けます。両脇を木々に囲まれている部分が多いのですが、時折低木になって眺望が開ける部分があり、ダイナミックな断崖絶壁や落石の跡を見ることができます。ムニンヒメツバキといった固有種も見られて良かったです。この遊歩道、なぜか他に歩いている人はいなくて、独り占めすることができました。

しばらく進むと東屋があり、そこでひと休み。近くに洞窟みたいな入口がありましたが、戦跡なのでしょうか。特に案内はありませんでしたが。

休憩を終えて、さて歩こう、と思ったら、すぐ先が三日月山展望台でした。大村集落や二見港、父島の森を見渡せます。南国のジャングルっぽさも感じさせてくれる森で、緑も濃くて見ていて気持ちいいですね。

眺望を満喫した後は、麓へ戻ります。やはり標高が下がると暑さを感じます。往きに見過ごした聖ジョージ教会の佇まいを見て、それから昼食へ。

何となく気になっていたかがや亭にて、冷やし中華をいただきます。本当はラーメンを食べたいと思っていたのですが、この暑さに負けました。店内のカウンター席に座れたので、冷房の効いた中、おいしくいただきました。もう少し遅れたら、室内席には入れなかったかも。

一旦民宿へ戻り、干していたダイビング器材を梱包します。この時に返しそびれていた鍵を返しました。

その後はまだ時間があるので、海岸線に沿って、これまで足を伸ばしていないところまで歩いてみます。海洋センターまで行きたかったのですが、さすがにそこまで往復している時間はないので、とびうお桟橋のところで折り返し。とびうおの日時計があり、概ね正確な時間を指していました。

これと言った珍しいものはありませんでしたが、知らない道を歩くのは楽しいですね。ローカル感のあるお弁当屋さんや小さなグラウンド、海に注ぐ小さな川などが、少し印象に残りました。

まだ時間があるので、大神山公園でひと休み。あまりに暑くて、農協スーパーでチョコアイスを買いました。う~ん、生き返る。

送迎時間が近づいてきたので、民宿に戻ります。送迎先である二見港を通り過ぎるのは複雑な気分。ただ、ダイビング器材などの荷物があるので、一旦民宿まで戻らなくてはなりません。

民宿から二見港へ着いたら、窓口で乗船券を引き換えます。ダイビング器材は迷いましたが、往路と同じく預けることにしました。受付は客船ターミナルの裏手にあります。

 

乗船時刻になったら、おがさわら丸に乗船します。往路と同じく、部屋は窓側の端っこでした。実質1人部屋になるので気楽で良いです。のんびりと寛ぎたいところですが、出港時には有名なお見送りがあるので、屋外デッキへ出ました。ここで偶然にもダイビングでご一緒した方々と遭遇しました。

二見港の桟橋では、太鼓の演奏があったり、賑やか。子供たちは元気にお別れの挨拶をしています。やがて出港時刻になり、徐々に港を離れていくおがさわら丸。そこに十数台のボートがおがさわら丸と併走します。お世話になったダイビングショップであるDeep Blueさんのボートも見つけることが出来ました。お別れの挨拶は「いってらっしゃい」。遠いところですし、なかなか気軽に来ることは出来ませんが、また帰ってきたいですね。最後まで粘って併走していたのはボートではなく、1台の水上バイクでした。その勇姿にデッキからは歓声が上がっていました。

ボートの姿が見えなくなった後は、小笠原諸島をしばらく眺めます。それから徐々に人が少なくなってきたので、自分も部屋に戻ることにしました。テレビを見ながらダラダラと過ごします。途中で売店に行き、お土産を物色。贅沢島レモン、と言うグミ菓子を買いました。程よい酸味と甘さで、個人的にお気に入り。個別包装されていたので、職場でも幾つか配りました。

そして夕食の時間になったので、レストラン父島へ向かいました。この日の夕食に選んだのは、温玉カレーライスとサラダ。やはりどこかのタイミングで食べたくなりますよね、カレー。

食後は屋外デッキに行きましたが、雲が多かったので、夕焼けは諦めて部屋に戻りました。夜になったらスターウォッチングのため、再び屋外デッキへ。雨がパラついたりしていて天気はいまいちでしたが、一応星空を楽しむことが出来ました。往路と違い、月が出ていたので、海面に映る月明りを撮ってみます。撮影したときはいい感じに撮れたつもりでいましたが、後で見ると光がとても弱いです。Photoshopで調整して、良い感じになりました。

部屋に戻ったら、22時過ぎに就寝して、6時くらいに起床した気がします。昨日の昼間に軽く汗をかいたので、シャワーでも浴びるつもりでしたが、結局浴びないまま日を跨いでしまいました。

目は覚めたものの、あまりお腹が空いていなくてグダグダしていたら、レストランの時間が終わってしまいました。と言うわけで、売店に行ってジャムパンとオレンジジュースを購入。朝ならこれで十分かもしれません。売店に行ったついでに屋外デッキへ出たら、遠くにタンカーが見えました。それ以外は何も見えず、海の広さを感じました。

程なくして昼食の時間です。今回の航海最後の食事は、牛丼と味噌汁にしました。

ここまで長い船旅でしたが、ついに東京湾に入りましたので、屋外デッキに出て景色を楽しみます。空を見上げると、飛行機が忙しなく飛び交っています。やがて海ほたるやアクアラインが遠くに見えてきて、そこを越えると港湾施設などが間近に見えてきました。遠くにはスカイツリーのシルエットも浮かんでいます。

お台場やレインボーブリッジが見えてくると、もう到着直前ですね。船室に戻って下船準備に入ります。あっという間に入港して、下船アナウンスが流れました。荷物を持って階段を下り、タラップを下って、24時間ぶりに陸の上に立ちます。見慣れた竹芝桟橋の姿を見えてくると、本土に帰ってきたことを実感しました。こうして小笠原の旅は、完了です。

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